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2024年3月期は大幅な赤字も2025年3月期は黒字転換

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2024年3月期の当社グループの業績は、前期に調達した割高な電源を低位に推移している電力市場で売却せざるを得なくなり、巨額の逆鞘が発生し、誠に遺憾ながら、198億円の経常損失の見込みです(23年11月公表)。この巨額な損失を教訓として、電源調達戦略の大幅な変更、リスク管理を強化するために組織の改変を行いました。この結果、2025年3月期は、前期に発生した逆鞘が解消され、継続的に利益を計上している小売り事業の成長が見込めることもあり、43億円の経常利益を見込んでいます(23年11月公表)。
海外事業におきましては、ベトナムやカンボジアを中心とした東南アジアにおいて、各国の脱炭素、グリーンエネルギー成長戦略に貢献することで、事業を拡大していきます。この地域では、経済成長に伴い電力需要が拡大しており、その中で脱炭素への移行が求められています。一方でこの地域は、熱帯モンスーン気候であり、バイオマス燃料資源が豊富に存在しています。この豊富な資源を活用するバイオマス発電及び石炭火力のバイオマス発電への転換は経済成長と脱炭素化の両立を実現する大変有効な解決策だと考えています。我々は積極的にその推進に取り組んでいます。24年度中には、ベトナムで一つ目のバイオマス発電所(ハウジャン省20MW:環境省の令和4年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」(※1)に採択)の運転開始が予定されていることに加え、バイオマスペレット工場の操業開始も予定されています。また、第8次国家電源開発計画(PDP8)の実施計画が承認され、優先度の高いイエンバイ省及びトゥエンクアン省のバイオマス発電所(環境省の令和5年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」(※1)に採択)の着工への手続きを進めています。加えて、25年度にはカンボジアで建設中の水力発電所(80MW)の運転開始も控えています。
今後も、気候変動への取り組みに対応しながら、これまで以上のベンチャー精神をもって、「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」というビジョンのもと、日本市場における電力小売事業、バイオマス発電事業に加え、ベトナムとカンボジアを中心とした、東南アジアにおいて、脱炭素に向けた事業展開を確実に実行していきます。
当社グループは脱炭素戦略として、2030年に2,500万t/年のCO2削減を計画しています。今後、カーボンプライシングやグローバルな排出権取引など、環境価値のトレードが具体化するネットゼロ社会の実現を見据え、国内電力事業にとどまらず、脱炭素のリーディングカンパニーへと転換を遂げ、環境価値を最大化し、グリーンエネルギーの成長を目指します。
株主の皆様には、引き続き一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2024年4月
イーレックス株式会社
代表取締役社長 本名 均

  • (※1)優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業。途上国等における温室効果ガスの削減とともに、JCMを通じて我が国及びパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成に資することを目的とする。優れた脱炭素技術等に対する初期投資費用の2分の1を上限として補助を行う。尚、本事業はベトナム政府と日本政府の協力の下、実施されている。