イーレックスグループは、2030年ビジョンである「〜持続可能な社会の実現のために〜再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」を実現すべく、環境面への取り組みを進めてきました。2030年に削減貢献2,500万t-CO2とする目標を打ち出し、国内外でバイオマス発電所の運営・バイオマス燃料の開発を進めています。
TCFD提言に基づく開示
当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明しました。これを機に、事業活動が環境に及ぼす影響を再認識し、情報開示の充実を図っていきます。またサステナビリティ委員会を中心とし、カーボンニュートラルへ向けた取り組みを積極的に行い、ステークホルダーの皆様と共にサステナブルな社会の実現を目指していきます。
バイオマス燃料における持続可能性の確保
再生可能な生物由来のバイオマス燃料を取り扱う当社では、燃料の生産や製造、加工、輸送行程に関するトレーサビリティや合法性について第三者機関の認証を取得しています。現在運転中の国内5基のバイオマス発電所は全てGGL認証を取得し、持続可能なバイオマス発電事業の推進を加速しています。
その他の取り組み事例
サステナビリティの観点から、当社は新たな燃料開発を進めております。その一つにニューソルガムがあります。ニューソルガムはサトウキビに似た丈の高い草で早生かつ低コストで栽培できることが特徴です。このニューソルガムを、効率的に栽培し、燃料として利用しやすいように加工すること等により、栽培・加工・輸送・発電を含めたライフサイクルGHG排出量を石炭に対して大幅に低減することが可能な発電用の燃料とすることができます。
バイオマス燃料を発電所まで運送する際は、運送中に粉塵を飛散させないよう配慮し、密閉構造を採用した特注の屋根付きトラックを使用しています。
発電所には大気汚染物質(ばいじん・Sox・NOx)の排出抑制の取組みとして排気ガスの処理装置を設置しています。
また定期的に法定基準に照らした排ガス測定を行っています。
水質保全の取組みとして、中城バイオマス発電所では、海水ではなく工業用水を冷却水として使用しています。使用した工業用水は下水処理を経て海に流すことで周囲の海水の温度上昇を防ぐなど、沖縄の海の環境保全に配慮しています。
また、水使用量については取水量/排出量データを管理し、取水量抑制の取組みとして冷却水の再利用や取水量の測定・監視を行っています。
発電設備の工事・運転による公害や自然破壊を防ぐことを目的として、環境アセスメントを行っています。動植物の生態調査を行うなど環境影響を評価し、設計や工事に活かしています。また、燃料調達先で焼畑農業や違法伐採などによる生態系破壊が起きないよう、第三者機関による認証を得た燃料を調達しています。
発電所からの排気に含まれる微細な灰を取り除くため、バグフィルターと呼ばれる設備が設置されています。発電所外部の環境や人体の安全に影響のないよう注意を払っています。
また、PKSを燃焼させて生じた灰は、全量回収してセメント原料として造粒固化し再利用を行う等、廃棄物の有効活用も行っており、環境保全に努めています。こうしたセメントは、一部公共事業の建材等への利用も行なわれています。